AERA6月号のコラムに掲載されていた「育毛、発毛の常識これ本当?」を検証!真相は?

育毛、発毛の常識って本当なの?

AERA6月号には「育毛、発毛の常識これ本当?」というコラムが載っていますが、この内容も相当慎重なものです。もちろん慎重な姿勢で記事を作ることは悪いことではないのですが、あまりにも「科学的に証明されたことだけしか見ない」というのもバランスに欠けることだと感じます。
ですので、内容を抜粋した上でちょっとつっこんでいきます。

△:科学的に証明されていない
✕:科学的にほぼ否定されている

 髪を清潔にしなければ毛は生えてこない→ ✕
髪の毛を作る毛包部分までシャンプーの成分は届かないので、どんな成分のシャンプーを使おうが発毛とは関係ない。髪の毛を洗いすぎて脂が必要以上になくなり、常在菌がいなくなるなどのデメリットのほうが心配(東京医科大学の坪井良治主任教授)という指摘も

シャンプーだけで、髪を清潔にするだけで発毛はしないというのは全く異論がありません。洗いすぎはよくないというのと常在菌がいなくなるデメリットについても同感です。

しかし「どんな成分のシャンプーを使おうが」という部分を見過ごしたくありません。
直接発毛にはつながらないかも知れませんが、頭皮の健康というのは大事です。頭皮の健康はシャンプーによって大きく変わる可能性があります。

自分の経験を下にすると

もともとアトピーで常に頭皮にはカサブタやニキビができていたのが、頭皮に良いというスカルプシャンプーをネットで見つけて使ったら、あれよあれよという間に治ってしまいました。
10年以上の悩みが数週間で改善してしまったのです。強すぎる洗浄成分の弊害を身をもって実感した出来事でした。

私のように肌が弱くない人ならば強い洗浄成分でも問題ないのか? というと、決してそんなことはないと思っています。なぜならシャンプーというものは何十年も使い続けるものですから、今まで大丈夫だったからといってこれから先も大丈夫なんていう保証はないからです。
弊害が少しずつたまっていって、いつか目に見える形で現れる可能性があります。そうでなくても人間は必ず老化しますから、いつまでも今の強い皮膚を保てるとは限りません。

「脂が必要以上になくなり」という部分も誤解を招きかねない表現だと感じます。
「頭皮の脂を落とす」ことを売りにしているスカルプケアシャンプーが即悪い訳ではありません。むしろある程度以上の価格のシャンプーは頭皮に優しい洗浄成分を使っていることが多く、脂は適正に洗浄するけれども取り過ぎるということはあまりないでしょう。実際私もカサカサ頭皮で皮脂が足りないと思うくらいだったので、スカルプシャンプーを使い始める際にはちょっと不安がありました。その商品も、販売ページには「毛穴の脂をしっかり落とせる」というような写真が載っていましたから……。

しかし使ってみたらどんどんカサカサが改善したのです。安価で強すぎる洗浄成分のシャンプーこそが、脂を必要以上になくしてしまうシャンプーだったのではないかと思っています。

 頭皮の皮脂をとらないと薄毛になる→ ✕
1970年代に否定されている。AGAは男性ホルモンが増えることで起こるが、この増加により頭皮の皮脂量も増える。皮脂をとったからといってAGAの原因がなくなるわけではない

これはその通りです。皮脂と男性型脱毛症(AGA)の関係に限らず、「原因と結果を取り違えてはいけない」のは日常全てにおいて大切なことですね。
育毛サロンのようなところに行くと頭皮を拡大して映されて「こんなに脂が! やばいですよ!」という営業トークをされる場合もあるようですが、あまり不安をあおって感情を揺さぶるような話にはその場で乗ってしまわない方が賢明です。かといって全てを疑うのも思考停止に陥りがちですから、話だけ聞いて後でよく考えたり、人に相談したりすることが大切です。

 昆布やワカメを食べると毛にいい→ △
色による連想にすぎず、特定の成分を摂ることで髪が黒くなったり育ったりするという話には科学的根拠はないと思ったほうがいい。ただ栄養失調で脱毛することはあるので、バランスのよい食事が大事

「科学的根拠はないと思ったほうがいい」ですので、根拠がないと証明されている訳ではありません。詳しいメカニズムはまだ不明のようですが、各社の研究で昆布エキスにそれなりの成果が現れたりしているようではあります。
いずれにしても、海藻の食物繊維や栄養成分は健康維持には役立つものです。ガン予防になるという研究もあるようなので、食べておいて損はないでしょう。日本で数少ない美髪モデル「深江真由美」さんも毎日の食事にわかめたっぷり味噌汁を必ず食すそうですから。

 ストレスは薄毛を進行させる→ △
AGAは男性ホルモンの作用によるものなので、ストレスとは関係ない。円形脱毛症については発症の引き金になることもある

何をどこまで「ストレス」と定義するかによりますが、例えば喫煙も身体的ストレスです。前述の通りハーバード大の研究で「喫煙がDHT(悪玉男性ホルモン)を増加させる」という結果が出ていますので、ストレスが全く関係ないと断定してしまうのは早計のような気がします。

細胞を傷つけてガンのリスクともなる「活性酸素」の害が広く知られるようになってきていますが、実は喫煙でもストレスでも、また放射線でも体内で活性酸素が増加します(放射性物質の怖さというのは実は、イコール活性酸素の怖さなのです)。

直接的にAGAとは関係なくても、やはりストレスは何かしら健康に被害を及ぼすのは間違いありません。もしかしたら体調を崩した結果、体は髪の毛をリストラし始めてしまうかもしれません。

 頭皮を刺激すると毛が生えてくる→ △
血行をよくすると育毛につながるという科学的根拠のあるデータはまだない。ミノキシジルの育毛改善効果も血行改善とは別の効果だと明らかになっている

これも「科学的根拠のあるデータはまだない」ですので、これからデータが出てくるかも知れないです。発毛までさせるほどの効果があるかどうかは置いておいても、毛根周辺は毛細血管が網の目のように走っていて、髪の毛に栄養と酸素を運んでいるのは血液だということは揺るぎない事実です。

頭皮と顔の皮膚とはつながっていますので、頭皮のゆるみが顔のたるみにつながります。ですから、頭皮の若さを保つことで顔の若さも保てるのです。もしもカツラという選択肢を選んだ場合、顔の皮膚にハリがないと不自然に見えてしまいます。
血行を促進することの害はまずありません。育毛剤やマッサージで血行促進することをやめてしまうのはもったいないことです。

 白髪の人はハゲない→ △
白髪化が進むと黒い髪より目立つため、ハゲないと誤解されているだけ。白髪は黒髪より伸びるスピードが速いというデータが報告されている

「白髪は黒髪より伸びるスピードが速い」というのは、資生堂と北里大学医学部の共同研究によるものです。白髪には細い毛(成長速度の遅い毛)が少なく、そのために平均すると黒髪よりも白髪の方が伸びるスピードが速かったということのようです。つまり白髪の方が「成長期」の毛が多いということです。AGAというのはその成長期が短くなるために髪の毛がうぶ毛状態までしか育たず、それで薄くなってしまうものです。

「AGAの髪の毛は成長期が短い」「白髪には成長期の毛が多い」そう考えると、「AGAの髪の毛の中には白髪が少ない」という結論は導き出せそうでもあります。ただしAGAが起こるのは前頭部と頭頂部が中心。側頭部や後頭部には髪の毛が残ることが多いので、その部分に残った髪の毛は成長期ですから、頭頂部が薄くて側頭部・後頭部は白髪というのはよくあることです。

いずれにしても、白髪も老化現象です。AGAの発症にも老化が関わっていない訳ではないので、「白髪が増えてきたから俺はハゲない」と思い込むのは間違いです。やはり健康管理をして老化予防をすることが大事です。

育毛サプリの成分を見ると、AGAに効果があるとされるノコギリヤシエキス以外にも体全体の健康に良さそうな成分が様々入っていますので、健康維持のためにも試してみてはいかがでしょうか。

 AGAの人は増えている→ △
約25年前も現在も日本でのAGAの発症率は約3割。ただし、高齢化が進んでいるので絶対数は増えているのではないか

AGAというのは遺伝子の影響によるところが大きいですから、数十年で大きく増えたり減ったりするということは考えにくいものです。
1985年から2010年までの25年間で日本の人口自体は700万人ほど増えていますが、高齢化率が10.3%から23.0%と倍以上になり、人数にして1600万人以上65歳以上の人口が増えています