発毛のメカニズム

髪の原点を知る

人が成長するのも、人の身体から何かが生えたり伸びたりするのも、全ては細胞分裂が正常に行われることで成り立っています。
髪の毛が生えるのも例外ではなく、髪の毛の根元にある毛母細胞が正常に細胞分裂することで髪が生え、そして伸びていくのです。

その細胞分裂するのに必要な毛母細胞は毛包がなければ動き出すことはありません。
毛包、毛母細胞、そして髪の毛自身の成長には栄養素となる「アミノ酸」が必要になります。アミノ酸のような栄養素は血管によって髪の毛の根元に運ばれ、そこで正常に細胞分裂が行われれば髪の毛は問題なく生えていくわけです。
これが通常の発毛のメカニズムになります。

栄養を摂っていても血管や血流がダメなら髪の毛は正常に生えませんし、その逆も然り。

発毛や育毛は幾つもの要素がしっかりと重なり合った時にこそ生まれるものなのです。

発毛周期(ヘアサイクル)の法則

脱毛や薄毛の対策をする時にもうひとつ知らなければならないのが発毛周期です。

「ヘアサイクル」とも呼ばれますが、髪の毛はある法則に則って循環を繰り返しています。この循環、つまりサイクルが狂うと正しく髪の毛が誕生・成長しないので脱毛が増え、薄毛になってしまうのです。


●ステップ1●【成長期】

毛穴から髪の毛が生えるところからこのヘアサイクルはスタートします。
この毛が生えてきた時から「成長期」へと突入し、特に最初の成長期を「初期成長期」と呼ぶ場合もあります。
健康な頭皮から生えてきた髪の毛はこの成長期の間ずっと成長し続けます。

この時は毛母が常に細胞分裂を繰り返している状態です。頭皮が正常なわけですからここも滞りなく行われます。
そしてこの成長期は頭皮が健康な人で2~7年あると言われています。この数字に差があるのは髪の毛の長さにもよりますし、生えている場所、そして生活環境やホルモンの関係などでも変わってくるからです。
しかし短くても2~3年ほどもてば健全な発毛周期と言えるでしょう。


☆ちょっと小耳に☆
ちなみに髪の毛の90%前後がこの成長期にあると言われています。この成長期で通常は1日に0.5mm弱伸びる程度です。
1ヶ月で1cmちょっと伸びる計算になりますが、頭皮や毛穴に問題があるとここまで伸びなかったり、もし伸びたとしても弱々しい毛髪ができてしまうことになります。

●ステップ2●【退行期】

髪の毛はここから<「退行期」に突入します。
毛母細胞の分裂が収束を迎え、一般的には「2~3週間」の期間、毛乳頭と毛母細胞が次第に離れていき抜けやすい状態になります。

少し引っ張ったりなどの刺激を与えるとこの退行期にある髪の毛は比較的簡単に抜けてしまいます。この退行期の髪の毛は全体の1%程度と言われており、数的にはとても少ないのが特徴です。

●ステップ3●【休止期】

退行期が2~3週間程あり、髪の毛はその後「休止期」に入ります。
休止期に入った髪の毛は言わば浮いた状態。退行期よりもさらに抜けやすくなっており、ちょっとした刺激でも抜け落ちてしまうでしょう。

休止期は健康な頭皮状態の人で約3ヶ月ほどあるのですが、このくらいの時期になれば何もしなくても自然と髪の毛が毛穴から抜け落ちることになります。

この時、既に新しい髪の毛が生える準備をしており、再び細胞分裂をして髪の毛を伸ばしてくると毛穴から顔を出すのです。
休止期の髪の毛は全体の10%以上もあると言われています。休止期の最後の段階から成長期に入るまでを「脱毛期」と呼ぶこともあります。

成長期が鍵をにぎる

上記のようなヘアサイクルが健康な状態の一般的な発毛周期なのですが、抜け毛が多く薄毛になってしまう人は成長期が極端に短く、場合によっては1年を待たずに退行期に入り、抜け落ちてしまいます。多くの人は髪の毛が次から次へと生えているのですが、それが伸び切る前に他の毛がどんどんと脱毛してしまうので薄くなってしまうのです。

厳密には髪の毛の脱毛を防ぐのは不可能であり、「薄毛対策の鍵」成長期をいかに伸ばすか、そして抜け落ちてしまった後の毛穴からいかに太く強い髪の毛を生やすかにかかっています。

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