「湯シャン」ブーム? 結局、頭皮の脂は取るの!?取らないの?

頭皮の脂をあやつれば抜け毛は減る?

育毛の話題になるとよく出てくるのが、毛穴に詰まった脂の話

頭皮の脂拡大スカルプケアシャンプーの説明サイトには必ずといっていいほど毛穴を拡大した写真が載っていますし、育毛サロンに行くと大抵は機械で脂を取るメニューがあります。
こうした育毛サロンでは、「あなたの抜け毛は脂が原因です」と断定されることもあるようです。


  • 過剰な皮脂によって抜け毛になることはあるの?
  • 皮脂を取りすぎるのも良くないって説もあるけど……?

今回は上記2点についての考えを記したいと思います。

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◎過剰な皮脂によって抜け毛になることはある?

一言で言えば「皮脂が抜け毛のきっかけになることはある」とはいえます。

ただし、頭頂部や前頭部の髪の毛が薄くなっていくいわゆる「男性型脱毛(AGA)」については、皮脂が主な原因ではありません。
「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンが、「脱毛させろ」という命令をする物質を作り出す引き金になっているからだということが分かっています。原因が分かっているので治療薬も開発され、病院に行って検査などをすればフィナステリド(商品名「プロペシア」)という飲み薬を処方してもらうことができます(保険は使えません)。

(男性型脱毛のメカニズムをもっと詳しく知りたい方は、当サイト内「ノコギリヤシに含まれるフィナステリドと脱毛たんぱく質の関係」をお読み下さい)

しかし男性型脱毛症の人は確かに、脱毛部の皮脂は多くなっているはずです。これはジヒドロテストステロン(DHT)には「脱毛させる」だけではなく「皮脂の分泌を促進する」という作用もあるからです。
つまり「皮脂が原因で男性型脱毛症が起こるのだ」という説は、原因と結果を取り違えているということです。
皮脂が多いから抜けるのではなく、抜け毛のきっかけを作る男性ホルモン(DHT)が同時に皮脂も多く作らせるのです。

とはいえやはり、皮脂が原因の抜け毛というのが存在するのは最初に書いた通りです。
この脱毛を「脂漏性脱毛症」といいます。

すっぴん地肌

◎脂漏性脱毛症の「炎症」が脱毛を引き起こす

この脂漏性脱毛症は「痒みを伴うことがあります」「毛穴周辺部や毛根が炎症を起こす」ということに注目してみましょう。

つまり

◎ 皮脂が多い →→ 毛穴が詰まる →→ 脱毛

ではなく、

◎ 皮脂が多い →→ 毛穴が詰まる →→ 炎症 →→ 脱毛

なのです。

別の言い方をすると、皮脂が多くなくても「炎症」が起これば脱毛は起こりえます。

炎症」とは、赤くなる・痒い・腫れる・痛い……などの状態です。
肌が炎症を起こして正常でなくなることにより、頭皮が毛髪を養う余裕がなくなったり、かいてしまうことによって物理的に抜け毛が起こったりしてしまうと考えられます。私はアトピーを持っているのですが、顔の痒みがひどかった頃の写真を見ると眉毛が薄くて驚きます。

◎皮脂を取りすぎるのも良くないとはどういうことか?

「皮脂を取りすぎるのも良くない」というのはその通りです。
皮脂というのは、もともとは体が「必要だ」と判断しているから出しているものです。
だからシャンプーなどで過剰に取り除いてしまうと、体は慌てて「もっと出さなきゃ」とより多くの皮脂を出してしまうことにつながります。
現在一般的に市販されているシャンプーは、洗浄力と刺激性が高くて皮脂を過剰に取ってしまいがちな洗浄成分を使っているものがほとんどです。

【皮脂を取りすぎず、頭皮への刺激を抑えたアミノ酸系シャンプー】を見てみる→→→

また、肌が乾燥しているとそれを補うために皮脂を出すということもあります。
肌表面は脂で潤っているように見えても、肌の内部は実は水分不足ということがあるのです。

これは女性であれば化粧品の説明で聞いたことがある人も多いでしょう。
育毛剤には大抵保湿成分が入っていますので、皮脂の多さが気になる方には是非育毛剤での保湿も試していただきたいです。

湯シャンに関する様々な情報を集めて、自分にあった湯シャンを探して!

「皮脂を取りすぎる強い洗浄剤は良くない」という知識が広まってくるにつれ、「湯シャン」というものもじわりと広がってきているようです。

記事内で引用されている「NAVERまとめ」はこちら。
■薄毛、乾燥肌、敏感肌に効果?「湯シャン」派が増えているわけ

この「NAVERまとめ」は、ネット上の記述をいろいろとまとめられるサービスです。
ネット上の記述というのは当然ながら全てが正しかったり信用できるわけではありませんので、利用する際は「記述の引用元が信頼できるかどうか?」ということを常に念頭に置きながら情報を取捨選択することが重要です。
(当サイト内でも「湯シャンについて」の記事がありますので参考にどうぞ)

◎全てのシャンプー・リンスが悪いわけではない

シャンプー・リンス湯シャン頭皮NAVERまとめ内ではあたかも「悪」であるかのように一くくりにされているシャンプー・リンスですが、世の中のシャンプーにはピンからキリまであります。
ドラッグストアで数百円で売られている低価格品から、当サイトでもおすすめしている品質の高いシャンプーまで。


何の前置きもなく普通に「シャンプー」と言った際に多くの人が思い描くのは、ドラッグストアの数百円のシャンプーでしょう。
確かにそういうシャンプーはあまり良いとはいえません。

◎【私の経験】頭皮アトピーの悩みを解消したシャンプー

私自身アトピーがあり頭皮も痒く、物心ついた頃から常に頭皮にはかさぶたやニキビができていました。
低刺激シャンプーももちろん使ったことがあります。
500mlで1,500円ほどのものや、400mlで1,300円ほどの、普通のシャンプーと比べれば高めのもの。
それでもいまいち気休め程度の効果しか感じられなかったので、結局はCMで宣伝しているような新商品などを買ったりしていました。

ところがここ数年のスカルプシャンプーブームで、もしかしてアトピーの頭皮にもいいかもしれないと思って試してみました。
300mlで3,000円ほどの、今まで高いと思っていた低刺激シャンプーよりももっと高い商品でした。
それが大正解、数週間で頭皮の湿疹は治っていきました。アトピー体質はどうにもならないと思って諦めていましたが、シャンプーを変えることで体質をカバーすることができたのです。(個人差はあるでしょうが、、。)
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NAVERまとめで言われている「シャンプー・リンス」という言葉の中には、私の頭皮湿疹に激的効果をもたらしたような品質の高いシャンプーは入っていないような気がします。
刺激の強い安価なシャンプーを使っていた人が湯シャンに切り替えたら(刺激の強いシャンプーをやめたら)、それはもちろん私のように劇的な効果を得る可能性も高いでしょう。

「シャンプー、リンスさようなら 若者に「湯シャン」派が急増中」の記事の後半では、製薬会社の説明を引用して
「とくにシャンプーの使用を妨げてはいない」「シャンプーの使用にかかわらず、頭皮を清潔に保つことが抜け毛や薄毛を防ぐことにつながるようだ」とまとめています。

結局は【バランス】と、【自分の体質に合わせる】ことが重要!

ずっと湯シャンだと、日を追うにつれて何となく不快感が出てくる人もいるでしょうし、お湯だけでは落ちにくい整髪料を使わざるを得ない人もいるでしょう。
また湯シャンは、洗面器などに頭を浸してゆっくりと汚れを落としていくことが必要なのですが、性格的にそういう「ゆっくり」ができない人もいるでしょう。

ですので、まず湯シャンを試してみて、何だかお湯だけでは物足りないと感じたら少し品質の高いスカルプシャンプーを使うというのが頭皮の健康を維持するためにおすすめです。

今は低価格品のシャンプーを使っていて何もトラブルを感じなくても、皮膚の抵抗力は加齢によって誰でも落ちていきます
有害物質が皮膚に蓄積するという説もあります。
頭皮にトラブルが起きても、人間には自然治癒力というものがあるので回復はある程度見込めます。
しかしその自然治癒力も年齢とともに衰えていきます。体というのは壊れても買い換えることはできません。

先を見越した予防が何より大切なのです。