カツラと化粧の大きな違い
化粧をしても何も恥ずかしくないし陰口を言われることもないのに、カツラだと途端に後ろめたさが出てきます。バレたくない、バレたら恥ずかしい、バレたら陰口を言う人もいるからです。
カツラについて、そんな印象がぬぐえないのはどうしてなのでしょうか。人口の違いでしょうか?
数が少ないものは奇異の目で見られたりしますが、数が多くなれば「今はそういう人も多いからね」と“普通”になっていったりします。
しかし本質はそこではないように思えます。
やはり化粧とカツラの一番大きな違いは、「隠すか隠さないか」というところが大きいのではないでしょうか。
隠すからこそ、バレないかどうかヒヤヒヤします。隠さなければバレるも何もありません。
隠すからこそ、気づいてしまった周囲の人は「言いふらしたい!」と思ったり「隠してるのなら何も訊かない方がいいのかな」などという気まずい思いを抱えてしまったりします。
隠さなければ、カツラは化粧と同じような扱いをされるのではないでしょうか。
もちろん「女性の化粧」と同じ扱いをしてはもらえないと思います。女性の化粧は「大多数の人がして当たり前」「化粧をするのがマナー」というような社会認識です。
オープンな(隠さない)カツラのイメージ【陽】
《隠さないカツラ》は、「一般人男性の化粧」と同じような扱いをされると考えられます。
なぜならそこには「隠したい」という人間の後ろめたさという陰の要素がなくなり「前向きで明るい」「オープン」な陽のイメージとなります。
「男のくせに化粧なんて、、」
そういう意見があるのは確かでしょうが、時代の流れもあり男性の化粧もだんだんと市民権を得ていくでしょう。今の時点だって、テレビに出る際は男性でも化粧をするのが当たり前です。
そんな時代ですから近い未来では、カツラもウイッグのようにファッション的な感覚でTPOに合わせて使い分けてます!なんていう事になるかも知れません。
●今ある髪を失わないためにできる事→→→◎シャンプーをスカルプシャンプーに変えてみる ◎育毛剤を使用してみる
隠しているカツラのイメージ【陰】
しかし、《隠したカツラ》は、化粧ではありません。
「整形」と同じような扱いをされることもしばしば。もちろん人に隠してする美容整形であり、公然とした整形はこの限りではありません。
芸能人はまた別の話として、一般人が美容整形やカツラだと知った時、やはり負の感情を抱いてしまう人が多いと思います。その「負の感情」の内容には色々とあるでしょうが、一般人に対して起こる気持ちは
「何も、そんなにしてまで見た目にこだわらなくても……」
「そこまでするなんて、気にしすぎじゃない?」
そんな気持ちではないでしょうか。カツラや整形という非日常的なものに対する負の気持ちと言うよりは、何十万~何百万も出してまでカツラや美容整形という手段に走ってしまうほどの精神性に対して、何かを感じてしまうのではないでしょうか。
カツラ業界のどこかベールに包まれた高額なイメージが、陰のイメージを増殖させている事も原因の一つと言えそうです。
女性用かつら「ウイッグ、ヘアピース」のイメージ戦略
年配の女性がつむじ部分につけるヘアピースのようなものがありますが、あれに対してどういう感情を抱きますか? 男性のカツラに対するよりもはるかにオープンで、バレてもそんなに恥ずかしくないような印象だと思います。
CMに知名度の高い大物女優を起用しているのもポイントかも知れません。
「女性は見た目にこだわるものだし、化粧の一環としてヘアピースをつけている」
「そんなに何十万って高いものじゃないでしょ?」
そういう印象が、女性用のカツラに対する偏見を軽いものにしていると考えられます。
このことから現状では、女性用カツラであるウイッグ、ヘアピースのイメージ戦略は大成功だといえます。
男性用カツラに対する世間の目の冷たさが「何も、そんなにしてまで見た目にこだわらなくても……」という気持ちから来るのであれば、周囲の人のそういう気持ちを解消してあげれば、ぐっと見る目が変わってくるかも知れません。
「カツラ作ったんだよ。10万くらいだったよ、CMしてるとこのは高いんだろうけど安いのもあるからね」
「ホラ、やっぱり髪があると全然見た目違うよね。かっこいいでしょ? これからは男も見た目を気にする時代だよ」という感じに。
価格がお手頃なら、なんとなく明るいイメージに!
不思議な心理ですが、価格がそこまで高くないということを明らかにすることで、周囲の「そんなにしてまで」という気持ちを和らげるのです。
「ウイッグ・ヘアピース」は、髪があると全然違うということをアピールすることで、「これはこだわる価値のある見た目だ」ということを強調する。
そして何より本人が、カツラを化粧の一環のように軽くオープンに話題にする態度を見せることで、「そこまで薄毛を気にしていない」という印象を与える場合も。
周囲が負の印象を持つ対象が「気にしすぎる精神性」であるならば、このようにカラッと開けっぴろげにするのが一番の対策となるでしょう。もちろんその上でも何か言う人はいるかも知れません。それこそ気にしすぎてはいけません。
何をしたって何か言う人はどこにでもいるものです。
よく考えてみて下さい、そんな人の言うことを無視して何か困ることがあるでしょうか?
なによりも自分の気持ちを明るく前向きに変えていく事のほうが、よほど大切な事ではないでしょうか。