頭皮の健康に良いシャンプーとは?
出回っている商品を色々比べてみると、大きく分けて以下の3つのポイントがあります。
(1)汚れを落とす
(2)皮脂を落としすぎない
(3)様々な成分が配合されている
汚れが肌に残るとそれは肌にとって刺激となり、炎症を起こすこともあります。炎症とは「赤くなった」「かゆい」「痛い」「湿疹が出た」などの総称ですが、自覚症状のない微弱炎症状態というものもあります。炎症を起こした状態というのは「健康な頭皮」とはいえませんよね。
しかし実はこの「炎症」、体はちゃんと理由があって出しているものなのです。その理由とは「悪いものを洗い流す」こと。蚊や蜂に刺されたときに炎症を起こして腫れますが、これは蚊や蜂から注入された異物を掃除しようとして腫れているのです。だから「赤くなった」「かゆくなった」というときにすぐに強い薬で抑えこんでしまうのも考えものです。
異物を洗い流そうとして炎症が出るのであれば、シャンプーでちゃんと洗い流してあげれば不要な炎症を予防することができるということになります。
しかしここで問題になってくるのが、「洗浄力」と「肌への優しさ(皮脂を落としすぎない)」は相反するということです。しっかり汚れを落とし、かつうるおいは守る――その難しさが、各社のスカルプシャンプーが高額な理由の一つであると考えられます。
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アトピーの経験から学んだ事
私事で恐縮ですが、幼い頃からアトピーがあり、頭皮は常にかゆく乾燥していてかさぶたができていました。お医者さんに勧められた低刺激のシャンプーを使ってみたりもしましたがそんなにいいような気もせず、頭皮が荒れていることにすっかり慣れてしまっていたこともあり、いつしか気にしなくなりました。
頭皮のことは考えずにドラッグストアで目に付いた新商品を使ってみたり、時々気にして少し高い弱酸性の敏感肌用のものを使ってみたり。それでも気持ち程度の効果しか感じられなかったため、すっかり諦めていました。
しかしある時、その「少し高い弱酸性の敏感肌用」のシャンプーよりもっと高いシャンプーを使ってみました。
その価格差、約2.8倍。
効果は数週間で表れました。どんどんと頭皮の状態が良くなっていったのです。これまでの頭皮のトラブルは、実はシャンプーが原因だったのかも知れない。うるおいを落としすぎる、強すぎるシャンプーだったのかも知れない。子供の頃に使っていた低刺激のシャンプーも大して高いものではありませんでしたし、「高いものには、価格なりの価値がある」と痛感させられた出来事でした。
配合されている様々な天然成分がどれだけの効果を発揮できるのか、それは未知数です。育毛トニックに配合されていればそれなりに効果が期待できるような成分でも、シャンプーという数分で洗い流してしまうものに配合されていたら、力を発揮しきれないということが考えられます。
●皮膚はお肌のガードマン●
そもそも皮膚というものは体を守るバリアです。
ガードマンのような役割なので、やたらめったら色々な成分を吸収するわけにはいきません。
そのために育毛トニックなどはそれなりに吸収させる工夫を凝らして製品を作っているはずですし、「マッサージするように塗布して下さい」という使用説明も、効果的に吸収させるためでもあります。
これは女性がよく使う化粧水やクリームなども同じで、価格の高い製品はやはり浸透力が違ってきます。
ちなみに女性が化粧水をつけるときにコットンパフを使うのも、浸透力を高めるためです。
しかし全く浸透しないのかというとそうではありません。「経皮毒」などという言葉もありますが、これは有害物質が皮膚から吸収されることで健康被害を及ぼすという説です。金属アレルギーが分かりやすい例といえるでしょう。
多少は効果が期待できるから、メーカーは様々な成分を入れているとも考えられます。しかし本気で育毛を考えるならば、シャンプーに配合されている成分にあまり期待しすぎないことが肝要だと思います。
石鹸系、アミノ酸系、ノンシリコン どんなシャンプーを選べばよい?
石鹸系、アミノ酸系、ノンシリコンなど色とりどりのシャンプーがありますが、「全ての人にとってこれが一番いい」というものはないのではないのでしょうか。
漢方薬を選ぶ際、「証」というものを色々考慮して薬を決めます。聞き慣れない言葉ですが、「体質」「症状の出ている原因」「体の状態」などということを総合して表した言葉が「証」だと考えて頂くとわかりやすいと思います。便秘の薬でも更年期障害の薬でも風邪の薬でも、その人の体力や体質、症状の出方、今体がどんな状態なのかを総合的に判断して漢方薬を選びます。
シャンプーも同じではないでしょうか。人それぞれ体質も違えば頭皮の状態も髪質も違います。自分に合ったものを探すしかないと思われます。
とにかく1本使ってみて、なくなったらまた他のものを試してみる。こういう感じで使い比べてみてはいかがでしょうか。頭皮が強い人ほど、高価なスカルプシャンプーと安価なシャンプーの違いが分かりにくいかも知れません。しかし今は良くても自分の体を過信することは禁物です。私のような頭皮の弱い人が使えば肌荒れするようなものは、何十年と使い続けたときに少しずつ頭皮に悪影響を与えていくと思われます。
●神経質になりすぎないで●
けれども成分にあまり神経質になって調べ始めると「あれもダメ、これも刺激が強い、どれもダメじゃん!」とかえってわからなくなってしまう可能性もあります。シャンプーはあと何十年と使い続けるものですが、逆に言えばあと何十年しか使わないのです。
人間は誰にでも寿命があります。成分の悪影響が溜まっていくにしても、永遠に溜まるわけではありません。
柔軟な気持ちで成分表を見比べて、試しながら自分で考え、見つけていきましょう。