カツラのメンテナンス
カツラの日々のお手入れは、基本的にシャンプーで洗います。人毛の場合はリンスもします。製品によっては専用シャンプーの指定がある場合もあります。ドライヤーも使えます。ただし極端に高温の風を集中して当て過ぎないようにしましょう。
それ以外に、月に一度程度自毛の散髪が必要です。カツラの毛の長さと自分の髪の長さが合わなくなると不自然に見えます。大手の会社では理容院のようなサロンを併設し、そこで散髪をしてくれる場合もあります。完全個室でカツラを外しても人の目が気になりませんし、カツラも洗ってくれます。
編み込みや接着剤などつけっ放しにするタイプの場合、このタイミングで外してまたつけ直します。
散髪・つけ直しの料金は大体3,000円~12,000円で、編み込みの場合技術的な要因でメンテナンスが高額になる傾向があります。
このような定期メンテナンスが必要になるので、編み込み式など企業のサロンに通わなければならない場合は自宅とサロンとの距離も考慮しましょう。企業によっては他社製品の修理や取り付けなどをしてくれるところもあります。
カツラは一度買って終わりではなく、自分の髪も含めたアフターケアがついて回るものです。カツラといえば誰でも名前が思い浮かぶ大手の企業以外にも、カツラを製造販売している小さな企業が実は結構あります。販売チャネルとしては理美容店が主ですが、それはやはりヘアカットなどのアフターケアとの親和性が高いからでしょう。
カツラの長さに合わせたヘアカットだけならば自宅近くの理美容店でもやってくれる可能性は高いと思われます。ただしヘアカットの際はカツラを外さなければならないので、他のお客さんの目が気になる方は、個室などの設備を備えている店を探す必要があります。
カツラの値段
大きさにもよりますが、頭頂部をカバーできるタイプで男性の現実的な使用に耐えられる品質のものでは、安いもので8万円ほどからあります。
既製品、セミオーダー、オーダーメイドで価格が違いますし、頭への固定方法によっても差があります。編み込み式や特殊な接着剤を使う場合など、新しい技術を使うと価格は跳ね上がります。大手の企業は広告費や開発費にお金をかけているので、その分もやはり高くなります。大手の新商品となると100万円を下らないものも……。
ボリュームゾーンは15万円~25万円あたりと思われます。既製品やセミオーダーで不自然でなければ良いのですが、頭の形や似合う髪型など人によって千差万別です。カツラは自然さとフィット感が命ですので、既製品やセミオーダーを試着してみてピンと来ないようであれば、妥協せずオーダーメイドにするのが良いでしょう。
また大手企業では、月額2万円ほどの「定額制」というものを設けている企業もあります。これはレンタルやリースに近いもので、月額を払っていればカツラの修理が必要な場合などにスペアを無料で用意してもらえます。カツラには寿命があり一生ものではないこと、壊れた場合にスペアがなければカツラをつけずに生活しなければならないことを考えると、悪くないシステムといえるでしょう。
ただし「定額制」で用意される製品と、普通に購入する場合の製品のランクが同じものとは限りませんので、検討の際はよく話を聞いて自分の頭で考えることが重要です。
安いカツラをよく調べてみると、大手企業の古い製品とほとんど同じだった……そんな話もあります。大手企業の高額なカツラも中国などの工場にOEM依頼をしている場合があるのです。そういう工場へ別の企業がカツラを発注すると、似たようなものが出来上がってくる訳です。
例えば、家電製品についてちょっと考えてみて下さい。最新のハイエンド商品はとても高額ですが、そこそこの機能の普及品はとてもお手頃価格だったりすることがありませんか?
カツラでもそういうことが起こっている可能性があるかもしれません。