育毛サプリメントと薬の違い

サプリメントとは何か?

サプリメントそもそも「サプリメント」とは何かというと、「食品」です。「健康食品」とも言います。「食品」であり医薬品や医薬部外品ではないですから、効果効能を記載することは原則できません。

例外的に「特定保健用食品(いわゆる「トクホ」)」の指定を受けたものは、食品でありながら「脂肪を消費しやすくする」「血圧が高めの方に」などという文言を表示できます。


薬(医薬品)には、「漫然と使い続けてはならない」「予防のために使ってはならない」という大原則があります。これは医薬品というものは効果がはっきり証明されている反面、体への作用が強すぎるからです。一方健康食品・サプリメントは医薬品ほど強い作用はありませんが、その分長く飲み続けても体への負担がほとんどないと考えられます。

ここできちんと説明しておかなければならないのは、
作用が強い」≠「よく治る
ということです。医薬品というものは、目先のことだけ考えた短絡的な作用で「症状だけを止めている、治しているわけではない」ということが多いのです。だから目に見える効果はすぐには出ますが、長期的に薬を飲み続けていても一向に良くならないということが起こります。

例えばうつ病の薬。うつ病は脳内で「セロトニン」という物質が足りなくなって起こるといわれるので、脳内のセロトニンを減らさないようにする薬がよく用いられます。しかしこれはあくまで「薬を飲んでいる時だけセロトニンを減らさないようにする」ということで、薬をやめればまたセロトニンは減ってしまいます。

薬に頼らなくても自分の脳内でセロトニンを作れるように改善してくれる薬ではないのです。
だから「うつになって、もう何年もお医者さんに行って薬も飲んでるけど、なかなか良くならない……」という話をよく聞きます。

ノコギリヤシ(ソーパルメット)の成分と育毛効果について

育毛剤の成分豆知識」の「知っておきたいフィナステリド、ミノキシジル」ページでも、医薬品「プロペシア」の成分として「フィナステリド」について言及しました。このフィナステリドという成分は、ノコギリヤシ(ソーパルメット)に含まれる成分です。
「フィナステリドが含有されているのだったら、何十年もノコギリヤシのサプリを飲み続けたらステロイドのように蓄積する心配は……?」
よく勉強している方はもしかしてそう思われるかも知れません。

「食品」である以上そんなに心配は要らないと思われます。ステロイドホルモンは体内でも作られているものですし、ある程度であれば排泄されます。「ステロイドは蓄積する」「いや蓄積するというのはウソ」そんな議論があるようですが、多分「排泄する機能は体に備わっているが、あまりに大量に外部から投与されると排泄しきれない」というところではないかと個人的には考えています。

薬のことに限らず、何事もある程度までならば大丈夫で、そして同時に限度もあるものです。

フィナステリドとノコギリヤシの違いは?

では、医薬品のフィナステリド(商品名「プロペシア」)とノコギリヤシの違いはなんでしょう。分かりやすく言えば自然界にあるノコギリヤシにはフィナステリド「以外」の成分が入っているということでしょう。「ノコギリヤシエキス」は、「フィナステリド100%」ではないのです。あまりに純粋なものというのは自然界にはそうそう存在しません。野菜や肉一つとっても、何か一つの成分で構成されているものは存在しません。食物繊維、たんぱく質(アミノ酸)、様々なビタミン・ミネラル、脂肪……そういうものが複雑に含有されています。

「フィナステリド100%の医薬品を飲む」のと「フィナステリドを含有したノコギリヤシのサプリを飲む」のとでは、体に及ぼす影響や負担が変わってくると思われます。
主成分以外の微量な成分というのは、案外重要なものです。

もう一つノコギリヤシサプリメントが持つ医薬品とは違う大きな特長が、イソフラボンや亜鉛や××エキスや△△エキスなど様々な成分が同時に配合されている商品が多いということです。そしてそれらの成分は「何かこれ、何かの健康にいいんだっけ? 髪にもいいのかぁーへえー」という印象の成分が多いことでしょう。

そう、健康にいいのです。

正確に言えば「健康にも良くて髪にもいい」ではなくて「体が健康になることによって髪も健康になる」ととらえた方がいいでしょう。