現在既に薄毛に悩んでいる方、期間を限定して使用するなら医薬品!!

育毛剤の成分の豆知識

医薬品とか医薬部外品とか、結局どれがいいの?

医薬品の成分はあまりにも作用が直接的・短絡的過ぎることがままあります。だからこそはっきりと薬効が証明され、「医薬品」として流通できるのです。それは適正に使えば良い効果を与えてくれます。
しかしあまりに「目先のことだけ考えた即効性」であることも多いのが医薬品。長い期間の使用になると、体に無理をさせることにつながります。医薬品というものは必ず副作用のあるものですが、その副作用は体の一部分だけを見て強制的に無理をさせることからきている場合が多いのです。
だから、ネット販売の是非について議論が交わされるのです。

ですから、
(1)今既に薄毛に悩んでいる方が
(2)期間を限定して使う
この場合には医薬品はおすすめです。
「予防的に」「これから何十年も使い続ける」という場合には、医薬品はおすすめできません。
育毛剤に限らず、全ての医薬品は「予防的に使ってはならない」「漫然と使い続けてはならない」という大原則があります。薬剤師でも登録販売者でも、薬を扱う資格を持った人は全てその大原則を勉強して試験を受け、合格してきた人たちです。
けれども人間、初心を忘れたり、目先のわかりやすい効果だけ手っ取り早く求めてしまったりするもの。数十年医薬品を使い続けることに起因した弊害は、本当にその医薬品のせいなのか証明するのが難しいこともあり、安易に薬を処方し続けるお医者様もいることは否定できません。

効果はあるが作用は穏やかな「医薬部外品」

その点「医薬部外品」というのは、「効果・効能」は表示できるけれども医薬品よりも作用が緩やかで、予防的に使い続けても良いものです。
「薬用○○」と製品名についているものは、全て医薬部外品です。厚生労働省によって効果効能が承認されている成分を一定量入れたり、製造販売について厚生労働大臣の承認が必要だったりなどということが薬事法で定められています。

それでは医薬部外品の育毛剤は全て、医薬部外品でないものよりも効果があるといえるのでしょうか? 答えは「いいえ」です。
医薬部外品の育毛剤の成分を良く見てみましょう。薬用○○という育毛剤はごまんとあるのですが、「医薬部外品」としての「有効成分」の欄を比べてみると、結構共通したものが入っていることに気づかされます。例えばグリチルリチン酸ジカリウム、センブリエキス、ニンジンエキス。この3つは本当によく「有効成分」の欄で見かけます。

医薬部外品で「脱毛の原因物質○○を抑えることに注目して開発しました!」といううたい文句の育毛剤があったとします。その会社のホームページには「△△△△△エキスが脱毛の原因物質○○を抑える」という臨床試験のデータが載っていました。
「医薬部外品ということは、△△△△△エキスが脱毛原因物質○○を抑えるという有効性が、厚生労働省に認可されたのかな?」
ついついそう思ってしまうのですが。しかしよくよく成分表示を見てみると、△△△△△エキスは「有効成分」の欄ではなくて「うるおい成分」として書いてありました。つまり育毛剤自体が「医薬部外品」であっても、「△△△△△エキス」の有効性が厚生労働省に認められたことにはならないのです。

いろいろな販売戦略の影響も・・?

医薬部外品でない育毛ローションの成分をよく見ると、医薬部外品に配合されているセンブリエキスやニンジンエキスが実は配合されている……そんな場合もあります。きっとその育毛ローションは、医薬部外品として認可してもらおうと思えばできないことはないかも知れません。しかし「薬用○○」と商品名に入れることができる代わりに、医薬部外品の製造販売を行うためには厚生労働大臣の承認を得なければならなかったり、色々と面倒くさいこともあるものです。
勝手な推測ですが、育毛剤が医薬部外品になるかどうかというのは、会社の戦略によるところが大きいのかも知れません。ちょっと成分を追加して「医薬部外品! 薬用!」とうたった方が売れると判断すればそういう成分を入れ、「医薬部外品」として売る。逆に医薬部外品の規制に縛られたくなければ「化粧品」として売る。
そんな大人の事情もあるのかもしれません。

各社が商品を差別化しようとした時に、医薬部外品の有効成分の部分ではなかなか大きな差別化はできません。独自に研究した成分を「その他の成分」「保湿成分」として配合する――それが差別化のための一般的な手法になっています。

そんなことを少し知っておけば、医薬品であろうと医薬部外品であろうとしっかり成分をみて自分に合ったものを見分けることの重要性が少し見えてくるのではないでしょうか。