薄毛の種類

AGA(男性型脱毛症・壮年性脱毛症)

男性特有の薄毛をAGAと呼ぶことはだいぶ浸透してきたように思います。AGAは20代ころから症状が現れてくる若年性脱毛症や、40代・50代以降に症状が出てくる壮年性脱毛症など、年齢や形状によって幾つかの種類に分類することができますが、多くは頭頂部分の脱毛、生え際の、いわゆるM字型に毛髪が後退してくる脱毛症などに対して使われることが多いです。
AGAの原因は男性ホルモンや遺伝によるものがほとんどだと言われていますが、いずれにしても男性が薄毛になってしまう原因の中で最も多いのがこのAGAなのです。
AGAは治療によって進行を食い止めたり、また症状を改善したりなどができる場合も多く、本格的に治したい場合は専門機関での治療が有効に働くでしょう。

脂漏性脱毛症

髪の毛を健やかに保つ為には皮脂が大敵という話は多くの人が聞いたことがあると思いますが、頭皮の毛穴からこの皮脂が過剰に分泌されることで薄毛になってしまう、もしくは髪の毛が抜けてしまう症状を「脂漏性脱毛症」と呼びます。
単純に皮脂が毛穴に詰まって新しい毛髪が出てくるのを妨げている場合もありますし、皮脂が増えることでその皮脂のことが好きな菌が集まり毛の成長を妨げる場合も考えられます。
また、頭皮に溜まった皮脂と皮膚から出る角質がさらに大きな塊を形成し、それによって毛穴を塞いでしまうことも脂漏性脱毛症の原因として考えられるでしょう。
皮脂が増えてしまう原因としては洗髪が不十分ということもありますし、ホルモンのバランスの崩れ、また食事などにもその一因があると言われています。

円形脱毛症

突然現れる薄毛の症状に円形脱毛症があります。文字通り、主に頭髪が円形状に脱毛する症状で、一晩のうちに症状として現れる場合もあります。ストレスが原因と言われますが、中でも自覚症状が少ないストレスの場合に円形脱毛症になることが多いと言われているので、何が原因かわからない場合も多く、まだまだ謎の多い脱毛症と言えるでしょう。
円形脱毛症の特徴は性別や年齢に関係なく症状が出るという点と、多くの場合はしばらくすると治るという、他の脱毛症とは少し違った点です。一気に4~5つ程度できることもあり、体質によっては治ったと思ったら次の円形脱毛症が出るといったこともあるようです。
円形脱毛症は髪の毛だけではなく、身体のあらゆるところに症状が出るとも言われており、また新たに生えてきた毛は周りの毛と質が違うこともしばしば見受けられます。

批糠(ひこう)性脱毛症

髪の毛の成長を妨げると言われている皮脂ですが、この皮脂は頭皮を守る役目も持っているので完全に除去してしまうと逆に脱毛を促進してしまう恐れが出てきます。皮脂が極端に少なく薄毛になってしまう症状を批糠(ひこう)性脱毛症と呼んでいます。
脱毛を気にしたり頭皮の汚れを気にするあまり洗浄力が極端に強いシャンプーを使ったり、1日に何度も頭を洗ったりすることで本来は頭皮に必要な皮脂までをも取り除き批糠性脱毛症になってしまうケースもあります。
もちろん体質によって頭皮が乾燥しやすく、外気の影響を大きく受けることで皮脂の分泌が少なくなり批糠性脱毛症となってしまう例もあります。
皮脂が少なくなると頭皮の表面が剥がれ落ちます。一般的にフケと呼ばれるものになるのですが、この症状が度を過ぎると髪の毛を支えるものがなくなり脱毛へと繋がるのです。

分娩後脱毛症

女性特有の脱毛の症状に分娩後脱毛症があります。産後脱毛症と呼ばれることもありますが、女性が子供を出産した後に一時的に髪の毛が抜け落ちるのがこの症状です。分娩後脱毛症は厳密には薄毛とはならず、多くの場合は脱毛が少しの間増えるに過ぎません。
妊娠をしている時は女性ホルモンがたくさん分泌されているのですが、出産することによってこの量が減ります。この女性ホルモンの減少によって抜け毛が増えるのですが、これはホルモンの状態や髪の毛の量が正常に戻るだけと考えられるので特に心配する必要はないでしょう。
分娩後脱毛症は遅くても1年程で症状がなくなると言われています。あまりにも心配し過ぎたり薄毛治療の為に薬を服用すると母乳にも影響が出てきてしまうのでおすすめしません。

牽引(けんいん)性脱毛症

小さい頃からポニーテールをしている女の子は髪の毛が後退するという話を聞いたことがある人もいると思います。これはあながち嘘ではなく、強い力で同じ方向に髪の毛が引っ張られることで薄毛となることがあるのです。これを一般的に牽引(けんいん)性脱毛症と呼んでいます。
一時期髪の毛を強くしばったりしていても牽引性脱毛症となることは考えにくいのですが、長期間強く引っ張られるような髪型にしていると生え際から抜けたり、または強い力が加わっている部分から毛が抜けていきます。
この牽引性脱毛症は髪型を変えたり一日のうちで寝ている間などにその髪型から解放することで予防することができます。
また、同じ分け目にしているとハゲるという話を聞いたこともあるかもしれませんが、こちらも整髪料などをつけ強い力で引っ張ったり、また束ねていたりすると牽引性脱毛症になってしまうかもしれません。